こんにちは!
今回は、夏場の建設現場において非常に危険な存在である「熱中症」について、その見えないリスクに焦点を当ててお話しします。
熱中症という言葉は、最近ではすっかり身近なものになりました。
ニュースなどでも「気温が30度を超える日は熱中症に注意」などと毎日のように呼びかけられています。
しかし実際には、「ただの暑さでしょ?」「水を飲めば大丈夫」といったように、軽く見られてしまうことも少なくありません。
しかしこの「油断」が、重大な事故を招くこともあるのです。
■熱中症のリスクは“目に見えない”
熱中症の怖さは、何よりも「症状が静かに進行していく」という点です。
たとえば、頭が少しボーッとする、体がだるい、汗が止まったなどの症状が出ていても、本人がその異変に気づかないことがあります。
「まだいける」「ちょっと疲れただけ」と思って作業を続けてしまうケースも多いのです。
気づいたときにはすでに重症化していて、倒れたり、意識を失って救急搬送されるという事例も実際にあります。
■作業現場における特有の危険
鉄筋工事をはじめ、建設業の現場では、次のような「熱中症リスク」が重なります。
- 長時間の屋外作業:直射日光を浴び続け、地面からの照り返しも加わることで体温はどんどん上昇します。
- 重い工具・資材の持ち運び:体への負荷が大きく、体力も急速に消耗します。
- ヘルメットや作業着の着用:身体の熱が逃げにくく、体温がこもりやすい。
こうした条件がそろうことで、熱中症になりやすい環境が自然とできあがってしまうのです。
■見落とされがちな“初期症状”
熱中症は突然倒れるもの、という印象を持っている方も多いかもしれませんが、実際は初期の段階でサインが出ています。
以下のような症状があれば、すぐに作業を中断して休憩・水分補給を行う必要があります。
- めまいや立ちくらみ
- 吐き気、頭痛
- 大量の汗または、逆にまったく汗をかいていない
- 筋肉のけいれん
- 意識がぼんやりする、会話がかみ合わない
これらを「気のせい」「疲れのせい」だと思わないことが大切です。
■“命を守る行動”が、仲間を守る
現場では「自分だけは大丈夫」という過信が最も危険です。
熱中症の対策は、個人の意識と、チーム全体の声掛けや連携が必要不可欠です。
弊社では以下のような習慣を徹底しています。
- 2時間おきの強制的な休憩
- 仲間同士でお互いの体調を気に掛ける
- 異変があればすぐに報告、決して無理をさせない空気づくり
特に、「汗をかいていないのに暑い」「意識がぼんやりしている」と感じたときは、迷わず病院へ搬送する判断が必要になります。
命を守る行動は、決して過剰ではありません。
まとめ:熱中症は、防げる事故です
熱中症は予防さえしっかりしていれば、防ぐことができるものです。
それでも毎年多くの方が搬送され、最悪の場合は命を落とす事故も起きています。
だからこそ私たちは、「自分たちは大丈夫」という過信を捨て、
あらかじめ備えること、そしておかしいと思ったらすぐ休むことを徹底しています。
安全な現場づくりは、道具や設備だけでなく、
こうした意識の積み重ねによって成り立つのだと、私たちは考えています。
次回は、弊社で実施している具体的な「熱中症対策」についてご紹介する予定です。ぜひご期待ください!